J・K・ローリングの久しぶりの童話新刊、『イッカボッグ』を読みました。
さすが「ハリー・ポッター」シリーズを書いた名作家!
とても面白く、夢中で読みました。
そんな「イッカボッグ」について、あらすじを含めた作品情報と読んだ感想を語っていきたいと思います。
物語にはたくさんの人物が登場し、舞台であるコルヌコピア王国の地理関係も少し複雑だったので、登場人物と地理情報をまとめながら読みました。
そちらも紹介しますので、よければ参考になさってください。
J・K・ローリング著『イッカボッグ』作品情報
J.K.ローリング書き下ろし童話。コルヌコピア王国の北に棲むというイッカボッグ伝説。その真実と希望と友情の物語。
著者 J.K.ローリング 作 / 松岡 佑子 訳 ジャンル 児童書 出版年月日 2020/11/24 ISBN 9784863895966 判型・ページ数 A5・392ページ 定価 本体2,200円+税
あらすじ
コルヌコピア王国は、立派な口髭をもつ王様が治める、世界一幸福な国でした。豊かな黄金があり、職人たちが作り出す食べ物は、うれし泣きするくらいの美味しさでした。
しかし、国の北部にはマーシランドという霧深い土地があり、伝説によると、そこにはイッカボッグという怪物が棲んでいました。人々はみな、イッカボッグなんて、子どもを怖がらせてお行儀よくさせるために創られた伝説にすぎないと思っていました。でも、ある出来事をきっかけに、この伝説が利用されることになります。
王様の側近たちが自分勝手な都合で、イッカボッグは本当にいると、人々に信じさせようとしたのです。信じない人や、邪魔をする人は、牢屋に入れられてしまいます。そのせいで、王様の人気は陰りをみせ、豊かだった国は荒廃していきます。やがて、不運に見舞われた二人の子どもたちが、望みもしていなかった冒険へと送り出されていきます。
イッカボッグ伝説とその真実、希望、友情の物語が、あなたを待っています。(引用:「新しい物語『イッカボッグ』のウェブサイト」より
J・K・ローリングによる読み聞かせ動画
著者による第1章と第2章の読み聞かせ動画が公開されています。
J・K・ローリング本人による読み聞かせを聞けるなんて、なんと贅沢なんでしょう。
日本語字幕も付いていますのでぜひ見てみてください。
『イッカボッグ』登場人物一覧
本書の
主な登場人物を紹介します。
- イッカボッグ・・・王国の北の端、暗くて霧深い沼に住んでいるという伝説の怪物
- フレッド王・・・コルヌコピア王国の王様
- スピットルワース卿・・・とてもやせていてずるがしこいフレッド王の友人
- フラプーン卿・・・赤ら顔で太っているフレッド王の友人
- バート・ベアミッシ・・・城内都市で暮らす5歳の男の子
- デイジィ・ダブデイル・・・ベアミッシ家のお隣さんでバートと一番の仲良しな女の子
- バーサ・ベアミッシ・・・バートのお母さん 王様のお抱えパン職人長
- ベアミッシ少佐・・・バートのお父さん 近衛兵の隊長
- ドーラ・ダブデイル・・・デイジィのお母さん 王様の裁縫婦
- ダン・ダブデイル・・・デイジィのお父さん 王様お抱えの大工さん
- ポルフィリオ王・・・隣国プルリアニア王国の王様
- ヘリンボーン・・・王様の首席顧問
- レディ・エスランダ・・・黒髪で美しいレディ
- ローチ大尉・・・ベアミッシ少佐に次いで二番目の近衛隊隊員
- ヘッティ・ホプキンズ・・・城のメイド
- カンカ―ヴィ・・・城の召使
- タビィ・テンダロイン・・・バロンズタウンの肉屋さん
- プロット兵卒・・・イッカボッグ防衛隊の隊員
- マ・グルンター・・・ジョロボアムにある孤児院を切り盛りする老女
- たたきやジョン・・・マ・グルンター修道院にいる年上の男の子
- マーサ・・・修道院にいる女の子 マーシランド人
- ロデリック・ローチ・・・ローチ大尉の息子 四兄弟のうちの一人
コルヌコピア王国の地理情報一覧
『イッカボック』の舞台であるコルヌコピア王国の地理情報をまとめました。
- シュヴィール・・・国の南の方に位置するコルヌコピア王国の首都 菓子パン「天使の恵み」が有名
- 城内都市・・・シュヴィール内にあるフレッド王のために働く人たちが住む都市 他の街とは白壁で仕切られている
- クルズブルグ・・・シュヴィールの北にある都市 チーズで有名
- バロンズタウン・・・シュヴィールの北にある都市 スモークハム、ベーコン、ソーセージ、ビフテキ、鹿肉パイで有名
- フルーマ川・・・クルズブルグとバロンズタウンを隔てるコルヌコピアで一番大きな川 石橋がかかっている
- ジェロボアム・・・クルズブルグとバロンズタウンから数時間北に行ったところにある都市 ワインで有名
- マーシランド・・・ジェロボアムから少し北にあるやせた土地の地域 イッカボッグが出るという沼がある
J・K・ローリング著『イッカボッグ』感想
この物語は数年前にJ・K・ローリングが自身の2人の子どもたちに読み聞かせるために執筆したそうですが、細部まで作りこまれていて、今すぐ映画化されてもおかしくないほどの完成度だと思います。
予想していた以上に深みのある物語だったので、登場人物や王国の地理情報を書き留めながら読みました。
公式コンテストで選ばれたという子どもたちが描いた挿絵も、物語の理解を助けてくれましたね。
J・K・ローリングの書く物語は、子どもたちや庶民の中で起こる小さな出来事から、大きくストーリーが展開していくところが魅力の一つだと思います。
そして、人間の浅ましさも包み隠さず描くところが特徴ですね。
ハラハラドキドキの展開にページをめくる手が止まらず、すべて読み終わった後は大きな満足感がありました。
さすが世界を代表する作家、J・K・ローリング。
童話ですが、大人が読んでも楽しめる作品でしたよ。
まとめ
登場人物や地理関係を確認しながら読めば理解が深まって物語をさらに楽しめると思うので、ぜひ印刷などして登場人物一覧と地理情報一覧を片手に読んでみてください。
本書の著者印税の全額は、新型コロナウイルスで被害を受けた人たちのために寄付されるそうです。
新型コロナウイルスのパンデミックで大変な子どもたちに少しでも楽しい気持ちになってほしいというJ・K・ローリング想いから出版されたという本書。
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。