『泣いたあとは、新しい靴をはこう。』要約
内容は?
副題は10代のどうでもよくない悩みに作家が言葉で向き合ってみた。
人間関係の悩み、経済的な苦しさ、自分の身体に対しての違和感など、悩み多きティーンエイジャーの相談に、日本ペンクラブに所属する作家や翻訳家たちが本気で向き合い、アドバイスの言葉を贈った本です。
誰におすすめ?
- 10代の若者たち本書で取り上げている悩みは、多くのティーンエイジャーが抱える悩みです。例えば、言いようのない心のモヤモヤはなんなんでしょうとか、自分の身体を気持ち悪く感じてしまいますだとか。自分の悩みと重なるものもきっとあることでしょう。
自分の悩みを解決するヒントとなる言葉が本書の中にきっとあると思います。 - 本書の回答者のファンの人
回答者として、名だたる作家さんたちが名を連ねています。
読書家の皆さんは作品だけでなく、作家さんにも興味を抱きませんか。
悩みに対する回答はほんとうに人それぞれで、中には作品と全くイメージが違う回答をする人も。
本書を読むと、この作家さんはこんな考え方をする人なんだな、と意外な一面が見えてくるかもしれません。
『泣いたあとは、新しい靴をはこう。』回答者一覧
阿川佐和子/浅田次郎/石田純一/宇野和美/冲方丁/エドワード・レビンソン/落合恵子/柏葉幸子/片川優子/加藤純子/木内昇/きむらゆういち/朽木祥/玄侑宗久/河野万里子/越水利江子/佐藤優/芝田勝茂/下重暁子/神保哲生/俵万智/鶴田静/ドリアン助川/中井貴恵/中井はるの/中島京子/那須正幹/那須田淳/浜田桂子/濱野京子/ひこ・田中/平野啓一郎/古谷経衛/松原秀行/松本侑子/村上しいこ/茂木健一郎/森絵都/山田真/楊逸/吉岡忍/寮美千子/令丈ヒロ子/六草いちか
『泣いたあとは、新しい靴をはこう。』感想
まず本の装丁とタイトルがいいですよね。
思わず手に取ってみたくなる表紙とタイトルです。
続いて中身についてです。
悩みが十人十色なように、それに対する作家たちのアドバイスも十人十色だと思いました。
時にそのアドバイスでいいのか…と戸惑うものもありました(笑)
個人的に、いいと思った回答は平野啓一郎さんの言葉です。
読み手のことを考えた平易な文章でありながら、相談者を必要以上に子ども扱いせず、現実的なアドバイスをなさっているように感じました。
平野さんの小説が読んでみたくなりましたね。
本書では読みながら色んな感想を持ちました。
10代の子に向けるにはちょっと辛辣すぎる言葉なのではと思ったり、自由奔放すぎてそのアドバイスでいいのかなと思ったり。
ただありきたりな言葉じゃないからこそ、印象深く、心に刺さる言葉がたくさん載っていたような気がします。
当たり前でですが、悩みに対するアドバイスというのもそれぞれの意見でしかないわけで。どのアドバイスを取り入れ、どのアドバイスを取り入れないのかは個人の自由です。
ただ、一人で悶々と悩んでいても出口が見つからないとき、他人からのアドバイスは、自分では思いつかなかった解決のヒントを与えてくれる場合があります。本書はそんな解決のヒントがつまった本だと思います。
10代の悩みに作家たちが10代の悩みに真摯に向き合い、丁寧に言葉を返している本書。
読んでみてはいかかでしょうか。