『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』は、クックパッド編集担当本部長である小竹貴子さんがお仕事や食べ歩き、日々料理をする中で得た手を抜きたいけど、おいしさのために「これだけはゆずれないポイント」を詰め込んだ本です。

小竹貴子さんってどんな人?
小竹貴子さんは誰もが知る、あの「クックパッド」の創設に関わった初期メンバーのお一人。
現在はクックパッド株式会社のブランディング・編集担当本部長として活躍されています。
個人でも料理部教室などを開催しており、手順がシンプルで作りやすく、なおかつ美味しいレシピが人気で、生徒からは「料理のハードルが低くなった」「毎日の料理が楽しく感じられるようになった」と言われことも多いそうです。
『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』の要約
はじめに
第1章 サラダをマスターすれば、料理が得意になる第1歩
第2章 和食もすべて大さじ1
第3章 スープは具材がいちばん自由
第4章 スパイスをちょっとかければ、まったく違う味が誕生する
第5章 絶対に失敗しないホワイトソースの作り方
第6章 これ1本だけで味が決まる調味料
第7章 揚げ物は最強の手抜き料理
索引
本書に出てくるレシピ一覧
小竹流家庭料理のコツとは?
小竹さんが言うには、家庭料理は「手抜き」と「味を求める」バランスで成り立つといいます。
手を抜かないと毎日なんて続かず、美味しくなければ料理をするのがイヤになってしまう。
この本では、「手抜き」と「おいしさ」を兼ね備えるためのちょっとした料理のコツがまず初めに紹介されています。
家庭料理のコツ①:好きな料理は丸暗記する
好きな料理を丸暗記する。
これができれば、早く作れるし、アレンジもできるようになります。
最初だけ頑張って覚えてしまえばあとは一生もの。
本書で紹介されているレシピは、覚えやすく味付けの配合がほとんど1:1の比率なのが覚えやすくて嬉しいですね。
何度か作ればなんとなく覚えられそうです。
家庭料理のコツ②:料理のビジュアルを重視する
料理の見た目がいいと、作るのも食べるのもテンションが上がりますよね。
- 食器に凝ってみる。
- 普段使わない野菜やハーブを使ってみる。
- 食材の色を同系色にそろえてみる
以上の3つが料理のビジュアルをアップさせるおすすめの方法として提案されていました。
家庭料理のコツ③:家族のために料理をしない
まずは自分が食べたいものを第1に作る。
これが料理上手の基本だと小竹さんはおっしゃっています。
いつも他人のために作るのでは義務になってしまいます。
やらなきゃいけないという呪縛をとりはずして、無理をしないことが大切ですよね。
小竹流料理のルールとは?
「料理は楽しむことが大事」とは言っても、基本のルールがわかっていなければ美味しい料理は作れませんよね。
美味しくなければ、料理も楽しめません。
これだけは!というルールを知ってそれを守ることで、なんとなく作るよりも実は簡単に美味しいものが作れるといいます。
料理のルール①:調味料と食材を全部出す
作業工程ごとに調味料や材料を出したりしまったりしていると、流れが中断され、入れ忘れることも。
先に用意しておくとかえって全体でみるとラクです。
料理のルール②:時間がかかるものから最初にする
まずは下処理系です。
野菜を塩もみしておく、肉に酒を振っておく、魚に塩をふって臭みをとるなど時間がかかるものを先にしておきます。
その後、きのこ類→野菜→肉・魚の順に切ります。
そうすれば、まな板を何度も洗わなくてすみますね。
食材のカットが終わったら火を使います。
仕上がりの時間をみて、途中で洗い物もしながら料理をそろえたいですね。
料理のルール③:フライパンは大きいものにする
大きいフライパンだと、パスタも茹でられ、煮魚も重ならないので煮くずれせずに作れます。
小竹さんは、大きくてフッ素加工の安いフライパンを使って、焦げ付きが始まったら買い替えるのがいいとおっしゃっています。
だいたい半年が買い替えの目安だそうですよ。
料理のルール④:料理上手の近道は外で美味しい料理を食べること
シェフからもらう気づきは学びの宝庫。
食材の組み合わせや盛り付け方など、自分の料理のレベルを上げてくれます。
直接外食しなくても、YoutubeやInstagramで海外の有名レストランをチェックするだけでも楽しいものです。
楽しければ続きます。
美味しいものを見て食べて、自分の料理にも活かしましょう。
さっそく作ってみよう!お料理ジャンル別の作り方のコツとは?
料理のジャンル別にコツがあるそうです。
本書では、長年の経験から得た、「これだけ守れば簡単に美味しい料理ができるコツ」がとっておきのレシピとともに紹介されています。
サラダのコツ:「オイル1:酢1+何か塩分」
オイル大さじ1に酢を大さじ1.そこに甘味か塩分を少し加える。
このコツさえ守って、オイルや酢、加える甘味や塩分の種類を変えればバリエーションは無限大です。
和食のコツ:味付けはしょうゆ1:酒1:みりん1
和食が難しいのは味付けと火加減かと思います。
味付けはだいたい上記の通りしょうゆ1:酒1:みりん1で決まるとのこと。
煮物も焼き物も肉も魚も炊き込みご飯までいける黄金法則です。
素材のうまみがでるためだしも必要ないとのこと。
火加減は、基本的に「肉の場合は最初に冷たいまま調味料と食材をすべて入れる」「魚は沸騰している煮汁に入れる」ことでおいしくなるそうです。
スープのコツ:具材は目についたもの何でも
スープはだしと水分の組み合わせ。
だしは和風であれば煮干し、昆布。
洋風であればコンソメや他のブイヨン。
中華風であれば中華スープの素を使います。
そこに、水分として水だけにするか、トマトジュースや牛乳、豆乳を足します。
そこに目についた具材を何でも使いましょう。
きのこはうまみを出してくれるのでおすすめの具材です。
スパイスのコツ:まずはクミンシードとフェンネルシード
この2つのスパイスがあれば、味のレパートリーがグッと広がります。
クミンシードはカレーっぽい味できのこ炒めやブロッコリー炒めなど野菜料理に合います。
フェンネルシードは酸味のある爽やかな風味になります。
サラダに直接振りかけたり、魚料理とも相性がいいそうです。
乳製品のコツ:ホワイトソースの作り方をマスターしよう
ホワイトソースの作り方さえ覚えてしまえば、料理の幅がグッと広がります。
グラタン、シチュー、クリームパスタ、ほうれん草のクリーム煮など、メインからスープまで作れてしまいます。
本書では、具材と別に作るのではなく、一緒にフライパンで作るホワイトソースの作り方が紹介されています。
簡単で失敗せず、洗い物もラクちんでいいですね。
調味料のコツ:これ1本で味が決まる合わせ調味料5選
最小限あると便利な合わせ調味料は
- ポン酢
- オイスターソース
- 塩こうじ
- トマトケチャップ
この4つだそうです。
揚げ物のコツ:温度計を買うべし
揚げ物は油の温度と揚げる時間をきっちり守ればほとんど失敗しません。
揚げ方は2種類あります。
唐揚げやとんかつなど、中まで火を通す必要があるものは170度くらいで4分ほどじっくりと。
コロッケやフレンチフライなどタネに火が入っているものは170度くらいで2分ほど、色がつくまで揚げればいいと覚えておきましょう。
『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』感想、まとめ
料理は技術。
なんども作っていればそのコツというものが分かってきますよね。
本書はそのコツを惜しみなく伝授してくれました。
もちろん料理のレシピもたくさん載っていますが、どちらかというと小竹さんの料理のコツを文章で記した料理エッセイのような本だと思いました。
料理はそれぞれのレシピを知るよりも、このようなコツを知った方が上達が早いかもしれません。
慣れてきたら自分なりのアレンジも出来ますしね。
本書のキャッチフレーズは
「読むと、料理のハードルが下がります」
です。
わたしは本を見ながら紹介されている料理を何度か作ってみようと思いました。
そうすれば覚えられそうなくらいわりと簡単なコツばかりです。
本書を参考にして、外食レベルのごはんを作れる人をめざそうと思います!