2020年本屋大賞9位にランクインした『店長がバカすぎて』を読みました。
ノミネート作の中でも、笑いの要素が多く含まれた楽しい作品でした。
本屋さんの仕事に興味がある人、職場にやっかいな上司がいる人、すき間時間にサッと読めるミステリーが読みたい人におすすめです。
くわしく紹介します。
あらすじ
「幸せになりたいから働いているんだ」谷原京子、28歳。独身。とにかく本が好き。現在、〈武蔵野書店〉吉祥寺本店の契約社員。山本猛(たける)という名前ばかり勇ましい、「非」敏腕店長の元、文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、日々忙しく働いている。あこがれの先輩書店員小柳真理さんの存在が心の支えだ。そんなある日、小柳さんに、店を辞めることになったと言われ……。『イノセント・デイズ』『小説王』の著者が、満を持して放つ働く全ての人々に捧げるノンストップエンターテインメント。驚愕のラストが待ち受けています。「リアルすぎます」「爆笑のち号泣」「元気が出ました」「トリックもすごい!」、『ランティエ』連載時より全国の書店員さんはじめ、話題騒然!(出版社HPより)
もくじ
第1話 店長がバカすぎて
第2話 小説家がバカすぎて
第3話 弊社の社長がバカすぎて
第4話 営業がバカすぎて
第5話 神様がバカすぎて
第6話 結局、私がバカすぎて
『店長がバカすぎて』の魅力、感想
書店を舞台として、一緒に働く従業員や個性的なお客さんに翻弄されながら、主人公・谷原京子が書店員として成長していく姿を描いたお仕事小説でした。
ただのお仕事小説というだけではなく、「人気覆面作家の正体は?」という謎を解く推理小説としての要素もありました。
個性豊かな登場人物が出てきますが、やっぱり一番インパクトが強いのはタイトルにもなっている山本猛店長。
なにかと京子をイラつかせ、ことあるごとに「こんな店やめてやる!」と決意させるほど空気の読めない店長ですが、なんだか憎めないキャラ。
こういう上司って結構いそうだし、上司ってこれくらい力が抜けてる人の方が案外いいかも、と思いながら読みました(笑)
あと、とにかく本屋あるあるが満載。
書店員の方にはわかるわかると共感できる内容ばかりだと思うし、本好きな人が読んでも本屋さんの裏側をかいま見ているような楽しさがありますよね。
書店員としての仕事の酸いも甘いも知ることができるので、書店で働いてみたい!と思っている人にも参考になる1冊だと思います。
著者は書店で働いたことがあるのでしょうか。それくらいリアルな実態が描かれていました。
書店員だけではなくて、日々労働にいそしむ私たちの背中をそっと押してくれるような熱くて優しいお仕事小説でした。
読みやすくてサッと読めちゃいますよ(^-^)